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「ビートコミュニケーションCEO村井亮×ソフィアコンサルタント築地健」スペシャル対談 「震災などの危機を乗り越えられるエンタープライズソーシャルはビジネスコミュニケーションの未来を変える?」


株式会社ビートコミュニケーションの代表取締役社長の村井亮(本社:東京都渋谷区、代表取締役:村井 亮)は、大手企業のインナーコミュニケーションコンサルティングを手がける株式会社ソフィア(本社:東京都港区、代表取締役社長  廣田 拓也)の築地健と2月5日(水)ソーシャル関係者が集まる中、企業内におけるエンタプライズソーシャルやビジネスコミュニケーションの未来がどうなっていくのか、2時間に渡って対談を行いました。今回、はじめてその対談内容を公表します。2014年、生き馬の目を抜くビジネスの世界をいち早く駆け抜けるために、勝ち組企業に必要なものとは?

PART1 2013年を振り返って「実は問題の多くがコミュニケーションに起因している」
 
村井:昨年を通じて、組織のマネジメントコンサルタントとして感じた、企業の課題や問題といえば何でしょうか?
 
築地:ソーシャルメディアの社会への浸透が加速して、個人発のタイムリーなコミュニケーションが当たり前になってきた一方で、企業においては旧態依然としたコミュニケーション上の課題が目立ちました。日本企業はトップダウンに慣れすぎてしまっていて、ナレッジシェアやボトムアップ型の社内コミュニケーションは得意じゃないんですね。弊社で行った大企業で働く従業員延べ12,000人を対象としたアンケート調査でもこの部分の課題が注目され、議論の俎上に載りました。


 
村井:今は凄いスピードで社会が変化しており、現場で即断即決が求められている時代です。例えば、昨年後半クローズアップされた食品の偽装問題や、“バイトテロ”そして地震などの自然災害への対応も同じで、企業にはどんな状況にも機敏に対応し、ビジネスを継続していくことが求められています。
 
築地:それも社内コミュニケーションの分断が問題を引き起こしているようです。昨年よく聞いたのが、「異動が多くて担当者さんがよく変わります、引き継ぎがされてなくて過去の経緯がわかりません」、「業務の横のつながり、情報が共有されることがありません」というようなもの―個人のスキル、ノウハウが組織を支えている状況で、会社全体のチームワークで働いている感がないと訴えていました。また、管理職の方も昔に比べて一人で多くのメンバーをマネジメントしなければならなくなったので、業務上、川上から川下まで一通りの流れを俯瞰できていない。
 
村井:特にこの十年で日本も様変わりして人材の流動化と働き方の多様化が進んでいます。専門性の高い職人型ビジネスを提供している企業であればあるほど、ナレッジの共有が重要課題にあがっています。次に大企業の2チャンネル誹謗中傷書き込み問題ではエンタプライズソーシャルを導入してから今まで内部の人でしか知りえないような情報の書き込みなくなったという声も伺っています。また、東日本大震災のときにはソーシャルのツールを使って地球の反対側の人たちが被災地支援を行ったように、人間はコミュニケーションが取れれば、距離が縮み、相手に共感する為、国家間の争いごとも軽減していくのです。社内SNSは東日本大震災の時に多くの企業で安否確認、被災地支援、在宅作業などで使われ、社内SNSを使って危機を乗り越えていく企業や危機への備えをする企業が沢山現れました。それまでに稟議が通らず導入を見送っていた企業からはその後、「あの時、社内SNSを入れておけばよかった。」という声も多くいただきました。東日本大震災に電力会社各社がエンタープライズソーシャルのようなリアルタイムで情報が共有できる社内電脳ネットワークを導入していれば、決断も早く、国家規模での被害が縮小できただろうにと感じることもあります。


築地:企業内でコミュニケーションがうまくいってない例の方を幾つか挙げます。同じサービス、同じ商品を扱っている全国の複数の拠点が、それぞれゼロから資料を作っていて、作り終わったあと、ところで他の拠点はどんな風に作ってるんだろう?と言い始める。ただそれを確認するすべがない。同様に、お客さんからの問い合わせに応対する担当者が、個人の経験で回答していて確証が持てない。ひょっとしたらもっと良い回答の仕方があったかもしれないけど、それを共有するすべがない。もうひとつは他部署の役割とかミッションをよく知らずに、経理は堅苦しくて対応が遅いとか、システム部門が守りに入っていて動きが鈍いとか、営業の仕事が雑だとか、現象面のみを指摘しあうに留まっている。互いの役割や、組織内で働く上で部署として重視している点を理解しあう機会がない。
 
村井:近年、数々の日本の大手メーカーが海外勢におされて苦しんでいる理由の一つは、縦に分断された日本型セクショナリズムが企業の改革力を失わせているということです。社内コミュニケーションを潤滑にすることでバラバラだった部署が神経回路のようにつながって、企業の変革力がアップし、スピーディーに対応できるようになる。今、外の世の中はソーシャルでつながっていて、どんどんスピードが速まっていますから、企業もそれを取り入れないと外のスピードの速さについて来れなくなります。
 
PART2 社内SNSというソリューション「変革とイノベーションを支えるインフラとして」
 
村井:時代の変化が激しくなって、旧態依然のビジネスが衰退していく中で、イノベーション力が重要になってきています。企業の最新の動きとしては、社内SNSを使って新製品を開発したり、複数の部署の人が連携団結して自社のサービスをブラッシュアップして販売展開しているという例が増えてます。社内SNSの特徴というのは社内でコミュニケーションが活性化して、スキル・ノウハウを持った専門家同士が自然につながる。かつ、そこにナレッジが蓄積されていくと何が起きるかと言うと、社員のみなさんが自発的に新しいビジネスを考え始める。社内SNSの中でプロジェクトが立ち上がり、イノベーションが生まれるということも実際に起きています。
 
築地:確かに社内SNSの導入は変革・イノベーションのきっかけ、インフラになり得ますね。部内での朝礼や会議、メールやチャットなど既存の手段では生まれ得なかったコミュニケーションが発生する場ですから。
今まで組織の中で、一人の社員が社内の不特定多数の人に呼び掛けたり働きかけたりするようなインフラはなかった。例えば人事部は社員のプロファイルを管理していますが、基本的にその情報は人事部が独占していました。こういった社員情報を全社員に開放するというのはSNSのプロフィールの考え方に他ならなくて、まだ会ったことのない人でもこのプロダクト、このサービス、この問い合わせの担当者は、どこの誰なのかが確認できて、誰に声をかければいいのかが見えてくるという点で画期的です。それに、SNSの場を通じて自由にオンとオフのコミュニケーションをすることで、ちょっとしたときにこれってどう思う?と聞くことができる。コミュニケーションのハードルというか敷居が低くなっていくという効果もあります。
 
村井:社内SNSのエバンジェリストとしては一つジレンマがあって、いろんな企業にSNSを導入しているのですが、みなさんノウハウを公開したがらない。社内SNSって実は企業ごとにいろんな深い用途で使われていて、我々としてはそれを公にしたいと思っても、もともと同業他社との競争に勝つために投資をして戦略的に導入されてるものなので、手の内は明かしたくないと。ソーシャルの発展系、未来系の使い方をしている大企業も沢山あります。
 
築地:有用な使い方・役立て方がわからないというのが社内SNS導入の一つの障壁なんですよね。だから私たちは、導入の成功例をお見せするだけでなく「こんなものを入れてどうする気だ?」という反対意見も大切にしています。社内で活発な議論を続けて頂きながら、かつ自社の経営課題の解決に結びつくようファシリテーションを試みています。テスト導入の中で有用な活用例が出てくれば、それも地道に拾い上げます。
とにかく社内SNS担当者だけでなく、各部門長や社長も巻き込みながら全社的なムーブメントにしていくことなんです。自分たちにはこういう経営課題があり、何とかしたい。だから今回新しい取り組みをみんなでやっていこうじゃないか、というムーブメントをいかに醸成していくか。これは、まさしく新しい文化そのものを作って行く作業です。ですから当然時間もかかりますし、葛藤もあります。
 
村井:築地さんは社内SNS導入時にポイントとなるのはどんなところだとお考えですか?
 
築地:導入時には、5つの押さえどころがあります。



①戦略との整合、②成果の測定、③資源の管理、④リスクの管理、⑤価値の提供、いわゆる「ITガバナンスの重点領域」をチェックします。戦略との整合というのは経営課題とマッチしているかということ。成果の測定とは効果測定のことをいっています。資源の管理は、どれだけの打ち合わせ回数が必要で、どんなメンバーに参加していただくのが適当なのかというリソースの話で、IT投資予算だけではなくて人的な工数もちゃんと見てもらう。リスクの管理というのは既存の就業規則や情報管理規定と照らし合わせて、ここが合わない、どこの解釈を深めないといけない、ということを一つ一つしらみつぶししていく。価値の提供というのは、今までになかったコミュニケーションであるかということ。

成功のキーとなるのは、単なるITシステムの導入というレベルで留めず、SNSとはなんだろう?インナーコミュニケーションとは何だろう?ということをきちんと哲学し、自分たちの会社を変えていくんだ!という全社的ムーブメントにしていくことですね。
 
村井:築地さんから多くの企業を見てきて導入後の運用段階での秘訣は何ですか?



築地:たくさんあるんですが、まずはツールだけに過剰に期待し過ぎないで下さいとお伝えしています。Facebookでも毎日自分のステータスをあげている人なんて15%程度。ましてや企業内で投稿率80%なんて無理な話しです。そんな目標は立てないでください、と。10%くらいの投稿率が保たれていれば十分に活性化されている状態ですし、風土の変革やイノベーション創出のためのインフラとして、十分投資対効果に見合っているものですよ、と。



PART3 2014年社内SNSはビジネスコミュニケーションを変えるか?
 
築地:2014年は、増税にむけた駆け込み需要対応、その後の消費ダウン予測、さらに東京オリンピックの準備など、変化の要素がたくさんあります。生活者のレベルでも、企業人としてのレベルでも変化適応せざるを得ない状況です。そんな中、ビジネスインフラとして社内SNSがあるとないとでは、大きく違うと思います。世の中がシフトチェンジして、ギアを変えながら進んでいくので、自分たちもギアを上げていかなくてはいけない。ビジネスのギアを上げる手段なんてそうないですからね。
 
村井:グローバル競争の時代はコストがカギを握りますから、昔ながらの重厚長大な垂直統合型モデルでは戦えません。アップルやユニクロもそうですが、企業はどんどん水平分業型になっていくでしょう。そのときにはソーシャルネットワークを活用して、プロジェクトベースで様々な連携をしていくことが必要です。

それから、日本経済を活性化していくには、企業がどんどんイノベーションを起こしていかなくてはなりません。社内SNSを使って、企業はイノベーションを生み出せるような体質に変わる必要があります。弊社の「Beat Shuffle」や「Connect」は、まさしくそうした経営志向をテクノロジーでサポートするために作った製品です。私は今年2014年、社内SNSがビジネスコミュニケーションを変えると思っています。NHKスペシャルの「ヒューマン」でも放送されましたが、第二次大戦後、アメリカの孤児院で91人の赤ちゃんを調べたところ、両親を失って預けられた孤児の死亡率が2歳になるまで37%、実に3人に1人以上が命をなくしてしまいました。つまり人間は社会においてコミュニケーションをとらなくなると死んでしまう生き物なんです。ビートコミュニケーションも、ソフィアも、これからもエンタープライズソーシャルを通じて企業の問題いろいろ解決していきたいですね。

【プロフィール】
村井 亮(むらい りょう)氏
(株)Beat Communication代表取締役
1994年慶應義塾大学卒業、大手銀行入社。02年UCLA Anderson Business School客員研究員。2004年にエンタプライズソーシャルを始める。現在、NTTデータ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、三井不動産ファシリティーズを始め、数々の大手企業にソーシャルを導入するビジネスソーシャルのパイオニア。著書に「SNSマーケティング入門」「Google+の衝撃」「3.11を支えた小さなヒーロー達」がある。

築地 健(つきじ たけし)氏
(株)ソフィア コミュニケーションコンサルタント
企業のインナーコミュニケーション戦略を推進する中で、社内SNSの導入・活性化支援を手がけている。

■株式会社Beat Communicationについて
2003年に国内で初めてビジネスソーシャルネットワーク(SNS)実験を行い、2004年には世界で初めて法人向けソーシャルネットワーク(社内 SNS)パッケージを開発した会社。現在、大手企業・団体向け「Beat Shuffle」と中小企業向け「Beat Connect」を主として事業展開を行っている。
主要取引先は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社NTTデータ、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、NRI野村総合研究所、株式会社日本経済新聞社など。

本件に関する問い合わせ
社名  : 株式会社Beat Communication
代表者 :代表取締役 村井 亮
広報担当:小石
電話:03-5778-0387 FAX:03-5778-6827